今日の取材レポートは
いつもと違うスタイルで
お送りしますm(_ _)m
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2018年5月
沖縄県動物愛護管理センター訪問
    
「センターに収容されないよう、管理してください。」
– byセンター職員

    
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(写真1:センター)
    
沖縄県動物愛護管理センターとは
施設建て替えから10年を迎える沖縄県動物愛護管理センター(以下、センター)は、沖縄本島南部に位置し、那覇市と宮古・八重山地域を除く沖縄県全域で捕獲・保護された犬や猫が収容されている。業務は犬や猫の保護や管理、避妊去勢手術、殺処分、譲渡・啓発事業の他に動物取扱業の登録や管理も行い、事務2名、獣医師11名、技術員14名の計27名が在籍している。
    
環境省平成28年度のデータ(宮古・八重山地域を含む)では、収容された犬は年間1,561匹、猫は1,013匹に上った。その内、犬は子犬49匹を含む565匹、猫は子猫251匹を含む737匹が殺処分された。処分には炭酸ガスを使用し、負傷動物を対象に麻酔による安楽死も採用されている。
    
犬と猫は収容から30分以内に写真撮影とマイクロチップの読み取りを行い、センターのホームページで情報を公開する。首輪がついた状態で収容される犬も多く見られるが、7日間(土日祝祭日を除く)という収容期間で飼い主が見つかることは少ないという。犬の返還率は平成24年度から5年間で5%増え、平成29年度は約3割を見込む。また、飼い主が飼育放棄する理由として多いのは、飼い主の高齢化や死亡、引っ越し、多頭飼育などが挙げられる。
    
一方で、猫も収容後7日間(土日祝祭日を除く)は情報を公開するが、返還率は1割に満たない。収容数は成猫が全体の6割以上を占め平成24年度から減り続けていたが、平成29年度に大幅な増加が予想される。
    
収容される猫は、センターでの引き取りや捕獲に加え、沖縄県北部に位置する国頭村、大宜味村、東村から処分依頼された猫たちも含まれる。これらは“やんばる3村”と呼ばれ世界自然遺産の登録を目指していることから、平成17年度にネコの愛護及び管理に関する条例を施行。自然環境の保全を図るため、捨てられて野生化したノネコによる希少動物への被害を訴える他、飼養不能・不用ネコの引き取りを行うなど、近年積極的に猫の捕獲や排除に取り組んでいる。平成29年度はやんばる3村での捕獲数が大幅に増えたことから、センターとしての処分数増加が見込まれる。
    
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(写真2:譲渡犬を入れるケージ)
    
センターから繋ぐ命
収容期間中に飼い主が見つからなかった犬や猫のうち、譲渡に向くと判断されれば、センターで不妊去勢手術を行い、一般の新たな飼主(以前、人の里親制度を支援する団体から動物には里親という名称をしないで欲しいとの要請あり)を募集する。譲渡の費用やトライアル期間は設けていないが、犬も猫も譲渡希望者は事前に講習を受ける必要がある。正式譲渡が決まれば猫は当日引き渡し、犬は職員が家庭訪問し飼育環境を確認してから、後日正式に譲渡する。
    
また、一般譲渡の他に登録団体によるボランティア譲渡を行っている。主に県内で保護活動をする幾つかの団体が、殺処分対象になった犬や猫を引き出し、各自で新たな飼主を募集する。“センターから譲渡した犬の約6割がボランティア譲渡”という場合もあり、民間団体との連携が殺処分数の減少を支えているともいえる。しかし、猫は譲渡率が3割を下回る。センターとしては収容を事前に防ぐため、なるべく個々で新たな飼主を見つけるよう呼びかけている。
    
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(写真3:譲渡犬の不妊手術現場)
    
動物愛護思想の普及啓発活動
センターでは、保育園や小学校低学年の児童を対象とした「動物ふれあい教室」を開催。また小学校高学年以上の児童生徒や学生を対象に、動物愛護教育の一貫としてふれあい教室や飼い方講習会などに参加する「体験学習」や、センター業務や県内の状況を啓発するため施設見学や業務内容の説明を受ける「視察研修」を実施している。他には、平成11年度から老人ホーム等を対象に「動物介在活動」を開始。一般県民や学生、動物取扱業者の要望に応じて受けられる講習会も開催している。
    
現状を改善するために
犬や猫の現状を改善するため、沖縄県民にできることがある。すでに犬や猫を飼っている人は、きちんと管理して最期まで飼うこと。特に犬は、“放し飼い”などでいなくなっても、探さない・探し方を知らない飼い主が多いという。犬を飼育する際は、登録して鑑札を装着する義務がある。迷子にさせないことも重要であるが、もしもの時のために地域の保健所やセンターの役割について知っておく必要がある。健康も管理し終生飼養するためには、定期的に動物病院でワクチン接種などを行い、「それぞれの地域で“飼い主の良い例”になるよう心がけてほしい」と職員は話す。また、センターでのボランティアは募集していないが、民間の保護団体でボランティア活動をしたり支援したりすることで、地域の犬や猫たちを救うことにも繋がる。
    
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(写真4:センターのふれあい犬)
    
犬や猫を飼うこと
犬や猫が一度センターに収容されると、そこからの出口は飼い主への返還、新たな飼い主への譲渡、殺処分の3つしかない。放し飼いなど、不適切な飼い方をして来た飼い主から逃げ出したり捨てられたりして、野外で繁殖した犬や猫も多いだろう。センターで新たな飼主になる前に受ける講習会は、犬や猫を飼うことについて改めて考える時間でもある。そこで聞く適正な飼い方や飼育に必要な費用(一例)は、今までの飼い方や感覚と違うかもしれないが、一度収容された動物が二度と同じ目に遭わないよう、新たな飼主にも条件を設け、取り組んでいる。殺処分しないためにも、まずはセンターに収容されないよう、きちんと管理してもらいたいと願う。
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取材を終えて
(※今回は犬舎や猫舎を撮影しないという条件で取材させていただきました。)
沖縄県という島を訪ねて、他府県と陸地でつながっている本土や九州とは少し違う現状である事を改めて確認しました。職員さんがおっしゃっていた「沖縄県は小さな日本の様です」という言葉には、沢山の意味が含まれている様に取れました。それはエリアによって文化が違う事、飼い主・人の意識が違う事、そして「環境保護という視点から見たノイヌやノネコは駆除対象」という価値観であること・・・。
    
また米軍基地があるため、アメリカ人隊員が里親になって異動先へ連れて行ったり逆に日本で捨てて帰る人もいるそうで、沖縄県全体の現状を改善するには一筋縄ではいかない、ということも学びました。
    
センターから積極的に犬や猫を引き出す団体の努力や、センター職員による適正飼養の呼びかけもあり、5年前に比べると収容数自体が半分以下になりました。しかし、特に猫舎はとてもいい環境とはいえない狭い手作りケージ(成猫は伸びができないと思われる)で収納されており、センターに来る犬や猫は未だに後を絶ちません。動物をそんな環境に置かないためにも、まずは飼い主一人ひとりが終生飼養し、”収容されない”環境を作ってほしいと願います。
    
<沖縄県動物愛護管理センター>
https://aniwel-pref.okinawa/