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2016年 ひまわりの家訪問
     
代表の又木陽一さん、スタッフ兼「瞳としっぽ」編集長の江藤喜崇さんにお話を伺う。
    

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「今まで沢山の命を救ったと言えることが幸せ。」
– 代表 又木さん

ひまわりの家とは
ひまわりの家は、設立8年目。宮崎県中央動物保護管理所の隣にあり、保護犬の譲渡業務などを委託されている。年間収容数は犬が約70頭、猫が35〜40頭。長くて3年間施設に入っていることもある。仔犬は譲渡される前に他の仔犬と時間を過ごし、その後母犬になれそうなメス犬と遊ぶ。こうして長ければ約3ヶ月間、犬が成長するためにとても重要な「社会性」を学ばせる。

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保護されている成犬は夜間プレハブ内のケージで過ごし、日中は外で過ごしたり散歩に出かけたりする。少人数で犬の散歩やケージの掃除、ご飯の支度などをしていれば、一日はあっという間に過ぎる。そんな中、一匹でも多くに里親が見つかるよう譲渡会を開いている。2015年は県内で30回以上開催。
    
里親になるには、以下の条件がある。
・ 譲渡費用、ワクチン代を支払う
・ 自宅で飼養する
・ 必ず避妊去勢手術を実施する
・ 猫は室内飼いをする
※未成年や65歳以上の方、学生の方は本人のみでは譲渡できない場合がある。

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譲渡する上で一番大切にしているのは、犬や猫に幸せに生きてほしい、ということ。
里親希望者の中にはワクチンや不妊去勢手術、犬を繋いで管理する事の必要性を問う人もいる。そんな時又木さんは、事実を話し理解を深めるそうだ。ワクチンの接種など法律で決まっている場合もあれば、環境も昔とは異なる。不妊去勢手術が自然に反する行為と言う意味では肯定はしない。しかし今は手術をすべき時代。日本でも少しずつ殺処分を減らす運動が進む一方で、殺処分される猫の6割以上は、生み捨てられた生後間もない乳飲み子たち。そのためひまわりの家では、譲渡した後も手術が行われたかどうか電話で飼い主に確認している。
    
ペットの体に埋め込み、迷子になった際に個体を識別するためのマイクロチップ。現在はまだ読み取る機械が普及していない事もあり、強く薦めていない。それよりも「呼び戻し」のしつけなどをきちんとするよう呼びかけている。

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そして里親希望者の理解を得られれば、プロセスを進める。1週間~10日間のトライアル制度もあり、里親になる前に飼い主がペットとの相性を見ることが出来る。
    
里親になること以外に、ボランティアとして保護犬・猫と遊んだり、犬の散歩をしたり、譲渡会の手伝いをしたりと、一般市民が協力できることもある。中には支援物資を送って下さる方々もいらっしゃる。サイエンスダイエットの餌や、フィラリア、ダニ、ハエなどの予防、駆除用品などは特にありがたいそうだ。
    
「今まで沢山の命を救ったと言えることが幸せ。」過去を振り返り、そう話す又木さん。一匹でも多くの命が、次へ繋がれますように。

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Pawer.より

取材を初めてすぐ、又木さんが自身の人生をかけて保護活動に取り組むその熱い思いが伝わった。ひまわりの家は管理所の隣、すぐそこで殺処分され、焼かれ、空へと上がるグレーの灰が見える場所にある。そんな中、一匹でも多くの命を助けようと出来ることを全てされている。
     
又木さんが一番に望むことは、犬・猫それぞれが譲渡されて幸せに生きる事。今回貴重な時間を頂き、考えさせられること、気付かされたことが沢山あった。そんな機会を与えて下さったこと、そしてスタッフを含む皆さんが協力して沢山の命を救って下さっていることに、とても感謝している