2016年・春
立命館大学猫の会、RitsCat訪問。


     

RitsCatとは

RitsCatは、立命館大学の承認サークルとなり早5年。無責任に放置された猫を減らすための大学環境を目指すこと、大学内に住む猫についての認識や問題意識を喚起することを主な目的として、立命館大学衣笠キャンパスで2011年春に結成した。代表の金子翔太さんは、しっかりとした考えを持ち、積極的に新しい取り組みにも力を入れ、メンバーを率いている印象を受けた。
     
大学での猫サークル活動は継続が困難なイメージがあるが、RitsCatは2年前に作った組織としてしっかりとした仕組みが「続けられる秘訣」ではないか、とのこと。人数の都合もあるが、内部局・外部局・広報局(SNSやHPなど)と役割分担し、担当制でしっかり仕事をしているそうだ。
     
RitsCatの登録会員は104名(2016年6月)で、学生を中心に活動を行っている。入会の理由は、やはり猫が好き、動物が好きだから。
     

活動内容

キャンパス内にいる猫を対象に一定の場所・時間に捕獲器を設置し、保護した猫を理解ある動物病院の方の協力を得て、避妊去勢手術を施してもらっている。その際、避妊去勢手術後に誤って同じ猫を再手術しないよう、目印として耳をカット。「さくら耳」と呼ばれ、全国の地域猫活動で採用されている。手術を終え引き取った猫は再び大学内に戻し、術後無事に暮らせているかもチェックする。
捕獲の際に猫が集まりやすくするため、そして猫の健康管理や衛生環境への配慮も兼ね、毎日餌やりや糞処理を行っている。
また、会員が増えたことで今まで実現できなかった日曜日の餌やりを、2013年後期から実施。それまでは置き餌をしていたが、野生動物も出現するため本当に猫が食べていたかは不明だったそうだ。
     
野良猫の不妊去勢手術を続ければ、時間とともに猫が減る。大学に猫がいなくなったら、広報に力を入れて勉強し現状に関する知識などを広めたり、他の活動を支援できたらいいなと考えているとのこと。
     

2015年は2匹を譲渡。どんな条件があるのか伺うと、契約書を結び、トライアル期間も設けるとのこと。譲渡後は飼い主より不妊去勢手術やワクチン証明書も確認。「安易」ではなく、終生飼育してくれる飼い主に譲ることを大切にしている。2016年中には、SNSで正式に里親募集できるように努めるそうだ。
     
同年後期に初めて行われた合宿で、地域猫活動や病気について勉強、筆記試験を実施したのは、遊び感覚で楽しく学ぶためだとか。他大学のサークルも勉強に力を入れているようだ。
     
また立命館大学で、大学猫の世話をしているサークル同士(関西・関東・東海)が集まりシンポジウムが開催されることになった。迎える側がしっかりと勉強し、知識を持つ必要があると考えた。シンポジウムで、他大学の各サークル代表(一名)がディスカッションしたことにより、交流が深まり、情報交換ができたとのこと。また勉強合宿で身についた知識のおかげで、猫に関して説明する時の自信に繋がったというメンバーもいた。(2016年度の勉強合宿は6月に行われた。)

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活動を通して自分のプラスになった事や
自分の変化、周りへの影響は?

サークル活動によって猫の現状を知り、意識が変わった。まだまだ現状を知らない人が多いが、説明できるようになった。猫サークルで取り組む姿を見た猫嫌いの友人(猫は処分すればいいという考えの学生たち)も関心を持ってくれるようになり、間違った情報を正せるようになったことが、プラスになったこと。
     

大学猫にまつわる「忘れられない話」

人なつこい猫が構内で倒れていて、自転車に轢かれたという噂がたつなか、職員の方が引き取り今は幸せに暮らしているというエピソードを聞かせてもらった。
     
2016年6月には、京都市家庭動物相談所の方に講師に来てもらい勉強会を開催するそうだ。まちねこ活動を普及させようと、学祭でのフリーマーケットや地域の手作り市にも参加している。
     
手作りの「ねこのほん」もあり、啓発活動も行っている。もちろん、活動を続ける上で近所への配慮も忘れない。猫サークルの看板は大学側から許可を取っているというところに誇りを感じた。

最後に「RitsCat」からのメッセージ!

「まず、”なぜこうなっているのか”という現状を認識し、他にもこういった活動があることを知ってほしい。」

Pawer.より

大学生ならではの視点で考え、行動されているのが印象的だった。
構内に猫がいても、いなくても、今後もぜひ活動を続けていただきたい。