OLYMPUS DIGITAL CAMERA滋賀県動物保護管理センター 正門

2016年 春
滋賀県動物保護管理センター 訪問
主幹の並河孝至さんにお話を伺う。
    
「うちは何も隠すことがありませんので、全て見て頂いて結構ですよ。」 – 並河さん
    
自治体施設の取材では、撮影などに規制がかかることが多い。しかし、ここは電話した時から「全て見て、撮ってOK」と許可をいただいた。「事実・現状を伝えるためには、全体を知り自分の目で見ることが大切」、そう思っているのでとてもありがたい協力だった。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA入り口で、猫が出迎えてくれた。

2016年で32年目を迎えるこのセンターには、大津市を除く県内6カ所の保健所管内で保護された犬や猫が収容される。職員は獣医師4名、事務1名、収容動物・施設管理1名で、専任の動物愛護担当職員はいない。人数に対して施設がとても広く職員不足を感じた。
    
2015年度の資料では、収容された犬は487匹、猫は1,218匹。その内、犬は仔犬28匹を含む133匹、猫は仔猫888匹を含む1,056匹が殺処分された。猫の殺処分が多い一番の理由は、飼い主がわからない猫の生み捨てが多いこと。乳飲み子の場合、世話ができず即日処分されるのだとか。二酸化炭素ガスによる殺処分は2014年の12月に廃止され、現在は一匹ずつ獣医師が安楽死させている。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA2014年12月以降使用されなくなった犬舎。

成猫引き取りの申出は増加しており、主に高齢者の多頭飼育(10〜20匹)や引っ越しが原因だそう。しかし全体の殺処分数は減少傾向にあり、その理由は犬の場合は野犬が減り収容される仔犬が減ったこと、そして不妊去勢手術が普及しつつあることが挙げられる。
    
センターでは譲渡会も定期的に行っている。(毎月第2・4水曜第4以外の日曜日)里親希望者は成人であること以外に年齢制限はなく(万が一の時に代わって飼える人の選任が必要)、事前講習を1回受ける。全ての犬と猫に対して2週間のトライアル期間を設けており、実際に住む生活環境での相性を確認する。里親は譲渡から3ヶ月後に書類を提出し、そこでワクチン接種などを確認する仕組みになっている。

OLYMPUS DIGITAL CAMERAこの犬はその後、無事に譲渡されました☆

目指すは殺処分ゼロより、収容数ゼロ

センターでは随時「愛護学習」を受け付けており、特に夏休みには小学4年生以上を対象に「夏休み体験学習」を開催(親も参加・付添い可)。毎週火曜日は、基本のしつけクラスも開いている。(申し込みがあれば出張可能)
センターの広場では年に一度、チャリティーイベントとしてジャズコンサートを行う。普段センターと関わりのない方々も、気軽に来られるよう工夫している。
    
一人でも多くの方々に現状や事実を知ってもらい、収容されるペットがいなくなるよう共に取り組みたい。その思いは、これらの啓発運動から感じられるような気がした。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

センターの訴え

動物よし!(飼われている動物が幸せで、)
ご近所よし!(近所に迷惑をかけることなく、)
飼主よし!(動物との暮らしを飼い主さんが楽しむことを目指します。)
    
上記の「動物との暮らし三方よし」をスローガンに掲げているセンターでは、次のことも訴えている。
    
「最後まで責任を持って飼って欲しい」
「迷子になったら、すぐにセンターに連絡をして欲しい。」

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

迷子で収容される犬のうち、半数は迎えがない。センターの存在を知らなかったり、“逃げてもきっとどこかで飼ってもらえる”と思い込む飼い主もいるようだ。
    
どの施設でも、その認知度は殺処分数や譲渡数などに影響を与える。
直接ボランティアができなくても、SNSなどでセンターの存在を拡散することは一般市民が協力出来る身近な方法。
「もっと多くの方々に知ってもらえたら・・・」と、並河さんは願った。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

Pawer.より

実際に訪ねると、広い敷地に多くの設備があった。犬や猫について学ぶ空間、犬とふれあうスペース。こんなに充実しているのに、知らない人が多いのではもったいない、そう思った。
    
殺処分数より、収容数を減らすこと。これは「犬・猫殺処分問題」の根本的な解決に繋がると考える。オープンな姿勢で真摯に取り組むセンターを、もっと沢山の人に知ってもらい、交流の場になればと願う。